1. 人材
人材は、予知保全成功の基礎です。実際に操作・作業を行なう人材が理解・納得していなければ、予知保全プログラムは絵に描いた餅となってしまいます。そのため、関係者全員が予知保全の仕組み、予知保全が重要である理由、および予知保全を成功させるために何ができるかを理解する必要があります。関係者の賛同を得て、成功の文化を築くことが重要です。
2. データ
予知保全の実施には、データがかなめとなります。データがなければ、何も予測できません。例えば、ポンプやコンベアの正常時のデータがなければ、異常を特定することができません。また、データは量だけでなく、質も大切です。製造過程の正しい情報を入手することが重要です。
3. 手順
予知保全プログラムで、誰が何に対して責任を負っているのか、データとタスクをレビューする頻度、コミュニケーションの方法、タスクの計画、エスカレーション、完了の方法を定義する必要があります。簡単に言えば、保全担当チームが毎日行う必要のあることを計画し、実行する方法を定めます。効果的な予知保全プログラムは、作業効率と資産のパフォーマンスを最大化するのに役立ちます。
4. ツールと部品
予知保全という概念そのものは新しいものではありませんが、20年前と現在の違いは、より少ないコストでより良い結果を出すためのツールと部品があることです。ツールの例は、赤外線カメラなど資産の状態を測定するために使用される装置や、資産の検査や修理に使用される装置です。部品は、機器のさまざまなコンポーネントで、予知保全プログラムを成功させるための鍵となります。
5. 機器
すべての機器が予知保全に適したように作られているわけではありません。予知保全プログラムを設計するときは、どの機器の障害を予測できるかを知ることが重要です。予知保全プログラムに適合する資産は、障害が発生してしまう前に、十分な時間的余裕を持って問題を把握することができます。
6. テクノロジ
テクノロジは、先に述べた予知保全の柱を管理・最適化するのに役立ちます。どの製品の保守がいつ実行されるか、保守の費用、最後に保守が実行されたのはいつかを管理することが、予防保全プログラムを成功させるうえで重要です。MES (製造実行システム)や設備保全管理システムなど、予知保全プログラムの管理に利用できるテクノロジがたくさんあります。