サステナビリティというと聞こえはいいのですが、実際にはどのようなものなのでしょうか。

廃棄物管理

私は、より効率的なエネルギー、水、廃棄物処理プロセスは、エンド･ツー･エンドの製品データ通じて、最も影響力の大きい改善点に知見を提供することで達成可能であると信じています。また、適切な人材、プロセス、技術を導入することで、よりサステナブルなサプライチェーンとパートナネットワークのエコシステムを構築することができ、これは廃棄物管理に関して本当に重要なことです。

そこで、スペインを拠点に廃棄物処理工場を運営するバルタリア社と協業しました。彼らは、よりサステナブルな方法で事業を行なうという明確な野心を抱いていましたが、そのアイデアを現実の戦略や成果に結びつけることに課題を抱えていました。そこで私たちは、統合制御システムを提供することで、メンテナンスコストの削減、廃棄物のリサイクル量の倍増、他のリサイクル施設への移送量の4倍増を実現し、お役に立ちました。
 

サーキュラーエコノミー

当社では、サーキュラーエコノミー(循環経済)を業界標準とするために、新興産業特有のプロセスを自動化するソリューションの開発にも注力しています。2050年までにネットゼロを達成するための明確な枠組みを定めたパリ協定など、各国政府はサステナビリティの目標について、より具体的な方向性を示してきています。

しかし、重工業や製造業全体では、これは困難なことでしょう。特に、この分野は世界のCO2排出量の22%を占めているからです。また、従来の生産手段から避けられない副産物が排出につながることも多く、これを解決するのは簡単ではありません。アルセロール･ミッタル社とランザテック社との共同研究は、それが可能であることを証明しています。

私たちは、サーキュラーエコノミーを取り入れ、有害な副産物を新しいビジネスチャンスに再利用することで、サステナビリティのための業界標準を確立するために大きな一歩を踏み出しました。同社の工場では、潜在的に有害な炭素の副産物を市場需要の高い新しい化学製品に転換することで、廃棄物の削減を支援しました。

サステナビリティを支える: 政府の資金援助と取り組み

サステナビリティの推進は、多くの政府のイニシアティブによっても支えられています。COVID-19の後、デジタル化の改善、インフラの拡大、よりサステナブルな方法での運用と結びついたアジェンダで、欧州連合(EU)全体で多くの救済措置が配布されました。

その一部をご紹介します。

• InvestEU: サステナブルなインフラへの投資を奨励する
• Digital Europe: 欧州のデジタル技術の強化を支援する
• The Cohesion Fund : 資本集約的な環境･交通投資にフォーカスする

これらの景気回復･刺激策は、EU経済への1.8兆ユーロの注入に相当します。そして、これは、より多くの企業が新しい、より多くのプロジェクトを進める動機付けとなる、正しい方向へのもう1つの後押しとなるかもしれません。

政府もまた、サステナブルなプロセスへの投資を進めています。今年、英国王立造幣局と共同で発表した、電子機器から貴金属を回収し、硬貨に生まれ変わらせるプロジェクトがその一例です。

よりサステナブルな社会の実現に向けて共に行動する

私たちは、よりサステナブルな製造プロセスの実現と、エネルギー効率を高めるためのデジタル技術の開発に取り組んでいます。

今、私が優先的に取り組んでいるのは、私たちのテクノロジ、サービス、パートナシップを活用して、産業界がサステナビリティの目標を達成するのをいかに支援するかということです。これらの事例が、私たちの専門知識や技術をどのように活用できるかを考えるきっかけになれば幸いです。サステナビリティを実現するために、私たちがどのようなお手伝いができるのか、もっと知りたい方は、当社のウェブサイトにある多くのリソースをご覧ください。